東京・六本木「ナプレ」で青森フェア開催中
厳選された青森県産食材で
本格的な南イタリアの味を堪能する

「ナプレ」は、ピッツアをはじめとする絶品のイタリア料理が味わえる店。高層ビルの中あるとは思えないほどの開放感に南イタリアの雰囲気を求めて、国内外から多くのゲストが訪れます。そんな「ナプレ」が青森県の食材と出会って生み出す新メニュー。ひと味違うイタリアンが、今、人気を集めています。

さわやかな風味の生にんにくと甘いミニトマトを
たっぷり使った特製ピッツァはいかが?

「ナプレ」とは、ナポリ地方の方言で「ナポリ」を意味する言葉。その店名にふさわしく、店の入り口には大きなピザ釜が設置され、日中、陽光が降り注ぐ店内はまさに「ナポリ!」といった感じです。

明るい陽の光に誘われて店内へ。「ナプレ」にはテラス席もあり、特に新緑や桜の季節が美しい。

そんな「ナプレ」で開催中の青森フェア。フェアのメニューを決め、全体を統括するのは、総料理長の佐野陽規さんです。
佐野シェフは、今夏、青森県を訪ね、野菜、果物、肉や魚介類などに携わる多くの生産者と触れ合いました。
「青森県の食材については、以前からいくつか使わせていただいていて、品質のよさを実感していたのですが、実際に現地を訪ねてみると、『なるほど、この生産者さんが関わっているからこそ、これだけ素晴らしいものができるんだなぁ』と納得できました」と佐野さんは言います。

総料理長の佐野陽規さん(右)とピッツァイオーロ(ピザ職人)の関崎正也さん。
旬の食材をふんだんに取り入れて、南イタリアの味を追求し続ける2人にとって、青森県の食材との出会いには、「さまざまなインスピレーションとつながるものがあった」と言う。

今回の青森フェアのメニューは3品で、そのうちのひとつをピッツァに決定。
佐野シェフはピッツァイオーロの関崎正也さんと話し合い、「青森県産のミニトマト」と生にんにくの「りんごにんにく」をふんだんに使ったピッツアを提供しようと決めました。
それが、「水牛のモッツァレラと青森県産ミニトマト、りんごにんにく、バジルを使ったピッツァ」です。ピザ生地の上にトマトソースをぬり、生にんにくやトマト、ハーブなどをトッピングしたマニナーラと、水牛のモッツァレラにトマトをのせたピッツァが、ハーフ&ハーフで楽しめます。

青森フェアのピッツァには、青森県産の生にんにく「りんごにんにく」をスライスして、たっぷりのせている。「りんごにんにく」というネーミングの理由は、にんにくを栽培する際、たい肥や水やりに、りんごの搾りかすやりんごの濃縮エキスを取り入れているため。
「青森県産のミニトマト」は、完熟してから収穫するため、甘味が強く濃厚な味わい。加熱するとさらに甘味が増して、ナポリピッツァの弾力ある生地との相性は抜群。

「これだけにんにくをたっぷりのせても、にんにく臭が気にならずに味わえるのは、それが生にんにくだから。辛味が少ないうえに、ほどよい甘味もあって、にんにくが苦手という人にも、ぜひ召し上がっていただきたいですね」と関崎さん。自信をもっておすすめできるピッツァに仕上がりました。

「水牛のモッツァレラと青森県産ミニトマト、りんごにんにく、バジルを使ったピッツァ」。フレッシュな生にんにくやオレガノの風味にトマトの甘味、モッツァレラの旨味が調和する。

「ヒラツメガニ」の旨味が凝縮した
贅沢で味わい深いパスタ

「ナプレ」には、多彩なパスタ料理を目当てに訪れるゲストも少なくありません。そんなパスタ好きのために、今回、佐野シェフがおすすめするのが「青森県産りんごにんにくとヒラツメガニのアーリオ・オーリオ、キタッラ」です。
青森県産の「ヒラツメガニ」の特長は、強い旨味で、よく出汁が出る点。
「身も詰まっていておいしいカニなので、今回は一匹まるごとパスタに和えることにしました」と佐野シェフ。

右は塩茹でにした「ヒラツメガニ」。「ヒラツメガニ」は、青森県の八戸ではごく一般的なカニで、出汁がよく出るため、味噌汁や鍋物などの材料として使われる。また、殻がやわらかいので、甲羅を外したらぶつ切りにして、炒めたり唐揚げにしたりしてもおいしい。左は、「ヒラツメガニ」からとった濃厚なブロード。

具は「ヒラツメガニ」のみで、「ヒラツメガニ」を塩茹でした際のブロードをベースにしたソースをパスタに絡めるだけのシンプルな料理ですが、「カニの旨味を最大限に活かしたパスタ」と食通たちを唸らせています。
「カニを使ったパスタというと、トマトソースやクリームソース仕立てにすることが多いのですが、『ヒラツメガニ』のブロードはとても濃厚なので、これにオリーブオイルやにんにく、白ワインなどで風味づけするだけで十分だと思ったんですね」

 フライパンにオリーブオイル、みじん切りにした「りんごにんにく」、鷹の爪などを入れて熱したら、「ヒラツメガニ」のブロードや白ワインなどを入れてさらに加熱する。
 ①に茹で上がったパスタを入れ、塩茹でして適当な大きさにカットした「ヒラツメガニ」を入れて絡める。この時、「ヒラツメガニ」の身に火が入りすぎないように注意する。
塩で味をととのえ、パセリとレモンの皮を削って散らしたら、「青森県産りんごにんにくとヒラツメガニのアーリオ・オーリオ、キタッラ」の完成。

また佐野シェフは、今回のフェアで用いた食材以外にも、心惹かれるものに多く出会ったと言います。
「たとえば、現地でいただいた『天然ヒラメ』や」『津軽海峡メバル』などは、非常に肉厚でおいしかった。『ナプレ』では、魚をまるごとオーブン焼きやグリル、アクアパッツァにするメニューがあるので、青森県産の魚をそうした料理に活かしたら、きっと喜んでいただけると思います。こうした食材については、これからフェア以外でも取り入れていきたいと考えています」

さらに猛暑対策として、佐野シェフが考案したメニューがもうひと品。それが、「あおもりカシスのグラニータ」です。

「あおもりカシスのグラニータ」に用いるのは、カシスの実を濃縮ジュースにした『Cassis de Aomori』(左)。これにグラニュー糖で作ったシロップを加えて凍らせ、シャーベット状にする。「現地で『Cassis de Aomori』を試飲した時、実際にカシスの実を食べているような力強い味わいを覚えたので、これを凍らせたら夏にピッタリのさわやかなデザートになると思ったんです」と佐野シェフ。

「グラニータとは、イタリアのシチリア島で誕生したかき氷風のデザート。カシスの豊かな香り、そしてほどよい酸味と甘味が、体にこもった熱を取り去って癒してくれる——そんなイメージで楽しんでいただけたらと思います」

この夏、東京で体験するナポリと青森県のコラボレーション——。
青森フェアでは、おいしさだけでなく、ちょっとした旅気分も味わえそうです。

ナプレ(東京ミッドタウン店)
Napule Tokyo MidTown
東京都港区赤坂9丁目7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス1F
TEL 03-5413-0711
11:00~15:30(14:30 LO)、17:30~23:00(21:30LO)
定休日は東京ミッドタウンに準じる。

青森フェア 開催期間 2023年8月1日~31日

問い合わせ先
青森県農林水産部総合販売戦略課
TEL 017-734-9573


取材・文/上村久留美 撮影/依田佳子